
ねぇ、AIでFIREゲーム作ってるって話、したっけ?

あ、子供の頃の夢の続きってやつ?できてきた?

いやー、それがさ、4枚のカードで手が止まっちゃってね。

えっ、4枚?

節約・昇進・親孝行・FIRE後。ゲームのバランス考えてただけなのに、自分の人生のこと考えさせられちゃって。

あ…ゲーム作ってたつもりが、自分の人生を点検してるみたいになっちゃったんだ?
この記事でわかること
- AIを使ってFIREをモチーフにしたゲームを作り始めた経緯
- 「節約・昇進・親孝行・FIRE後」の4枚のカードで手が止まった話
- カードを設計しようとして見えてきた、自分の人生の点検結果
- お金の数字より「何を幸福と感じているか」を言葉にできていなかった現在地
ふと作り始めたゲームに、自分の人生が映ってしまった話
FIREのツールを何か作ろうとClaudeに相談していたら、「FIREシミュレーションRPG」という案がふと出てきたんですよね。その瞬間、子供の頃にゲームプログラマーになりたかった夢を思い出してしまって、気がついたら本気で作り始めてました。
ところが、カードのパラメータを設計し始めたら、4枚のカードのところで手が止まってしまったんです。節約、昇進、親孝行、FIRE後。どれも自分の人生に直接刺さってきて、ゲームを作っているはずがいつのまにか自分の人生を点検することになってました。今日はその話を書きます。
子供の頃の夢と、AIで作れると気づいた瞬間
小学生の頃、ゲームブックを作っていた記憶があるんですよ。紙にマス目を書いて、選択肢で分岐させる、あれです。卒業アルバムの「将来の夢」にも「ゲームプログラマー」と書いてました。
結局SEになって、近いと言えば近い職業に就いたんですが、ゲームを作るという夢の方は、いつのまにか引き出しの奥にしまいこんでました。
それを引っ張り出してきたのが、Claudeとの何気ない雑談だったんです。FIRE関連のツールを何か作りたくて、シミュレーターの拡張案を相談していたら、「FIREシミュレーションRPG」という単語が会話に出てきた。
その瞬間、頭の中で何かがつながったんですよね。AIに手伝ってもらえば、ローグライクのカードゲームくらい、自分でも作れるんじゃないか。小学生の自分が紙に描いてたあの分岐の延長線上にあるものを、いま自分の手で作れるかもしれない。
そう思って、軽い気持ちでカードの設計から始めました。ところが、その「軽い気持ち」が4枚のカードで音を立てて止まることになるんです。
4枚のカードで手が止まった
ローグライクのカードゲームなので、それぞれのカードに「支出」「収入」「幸福度」みたいなパラメータを振っていくんですよ。ゲームバランスを取るには、プラスとマイナスをいい感じに調整する必要があります。
でも、頭の中でパラメータを動かしているうちに、4枚のカードのところで何度も手が止まってしまったんです。
節約生活カード——「節約って幸福度さがるんだっけ?」
最初に詰まったのが、節約生活カードでした。
ゲームバランスを考えると、「支出マイナス・幸福度マイナス」と設定するのが自然なんですよ。節約は楽しいことを我慢する行為だから、幸福度は下がる。世間一般のイメージで言えば、そう設計するのが普通だと思います。
でも、その数字を入れた瞬間に、ふと手が止まりました。
——あれ、節約って、幸福度が下がるものだったっけ?
わたし自身は、節約することで幸福度が下がった記憶がないんですよね。むしろ、無駄遣いを減らして資産が積み上がっていくこと自体が楽しかった。スーパーで安い方を選ぶことも、ストレスじゃなくて反射に近くなってる。
でも、世間的には「節約=我慢=つらい」というのが標準的な感覚で、ゲームバランス上もそうしないと成立しない。自分の感覚と世間の感覚に、こんなに温度差があったのかと、カードを1枚作るだけで気づかされたんです。
昇進イベントカード——「断る」を選択肢に並べたことがなかった
次に詰まったのが、昇進イベントカードです。
ゲームの中では、「収入アップ・幸福度ダウン」というバランスでカードを設計しました。責任が増えて、自由な時間が減って、給与は上がる。よくあるトレードオフです。
そのパラメータを書き込みながら、ハッとしたんですよ。
——わたし、昇進を打診されたとき、給与アップと責任の話しか考えてなかったな、と。
幸福度については考えなかったんです。「断る」という選択肢を、自分の中に並べていなかった。給与が上がるなら受けるのが当然、という前提で動いてました。
ゲームのカードには「受ける/断る」を選択肢として並べるのに、現実の自分は「断る」を選択肢に並べたことがなかった。考えたうえで昇進を受けるならいいのに、考えなかったのは、視野が狭かったのかもしれない。
それに気づいた瞬間、ゲームを作ってるはずが、自分の過去のカードを1枚ずつめくられてる気分になりました。
親孝行カード——いまさらながら、思った
3枚目は親孝行カードでした。
これは「支出あり・幸福度プラス」というシンプルなバランスにしようと思って、効果を書き込んでいたんです。お金を使って、家族の時間という幸福度を得る。ゲームの構造としては素直なカードです。
でも、その効果を文字にしている途中で、急に気持ちが揺らぎました。
——わたし、就職して親元から離れて、あまり親孝行できてこなかったな、と。
ゲームのカードの中では、いつでも親孝行カードを引いて使うことができる。現実では、もうそんなに残ってないかもしれない時間を、たくさん見送ってきたんですよね。
「もっとやれることがあったな」と、いまさらながら思いました。カードを設計しようとしただけなのに、過去の選択を1つずつ再生して見せられているような感覚でした。これも、レントゲンの一部だったんです。
FIRE後カード——ひねり出しても、出てこなかった
最後に詰まったのが、FIRE後カードでした。
FIREした後にだけ出現するイベントカードを設計しようとして、書き出してみたんですよ。散歩、やりたい仕事、趣味を仕事に、執筆活動。とりあえず思いつく順に並べていきました。
でも、すぐに筆が止まりました。これ以上が出てこないんです。
定年後のイメージも借りてきて、ボランティアとか、世界一周旅行とか、地方移住とか、ひねり出すように追加しました。でも、ひねり出している自分に気づいた瞬間に、軽くショックでした。
——わたし、FIRE後にやりたいことを、ちゃんと言葉にできていなかったんだ、と。
数字の上ではFIREに踏み出せる水準にいるのに、踏み出した先のカードデッキを設計できない。これはFIRE後に時間を持て余すパターンだなと、自分のことながら正直に思いました。
未来のカードが書けないというのは、未来の選択肢を持っていないということなんですよね。
4枚のカードに共通していたもの
4枚を並べてみたら、共通点が浮かび上がってきました。
どれも、FIREを目指して走ってくる途中で、ちゃんと立ち止まって考えてこなかったものだったんです。
節約は「気持ちよくやれているか」を点検しなかった。昇進は「断る」を選択肢に並べなかった。親孝行は「いま動かないと取り返せない」と感じる前に過ぎていった。FIRE後は「何で時間を埋めるか」を保留してきた。
数字には強かったはずなのに、「いま自分は何を幸福と感じているか」が、言葉にできていなかった。資産規模やシミュレーションの数値はノートにびっしり書けるのに、幸福度のカード1枚が書けない。それが、4枚を並べて気づいた共通項でした。
カードを設計するという行為が、自分の人生を点検するレントゲンになっていたんです。ゲームを作ろうとしただけなのに、わたし自身が照射される側にいました。
まだ答えは出ていないけど、設計し直してみる
4つの問いに、いまも答えは出ていません。
節約は本当に幸福度を下げないのか、昇進を断るべき瞬間があったのか、親孝行はこれから何ができるのか、FIRE後に何を入れるのか。全部、明確な答えにはまだ届いてないんですよ。
ただ、1つだけ腹が決まったことがあります。お金の数字をいくら積んでも、「何を幸福と感じているか」を言葉にできていなければ、わたしはきっとFIREに踏み出せない。1.5億円超あっても踏み出せないという話は1.5億円超あっても踏み出せない。40代後半の私がFIREを前に震えている理由、8つ全部書くでも書いていますが、その理由の一部が、ここにあった気がするんですよね。
FIREに慎重になっているのも、たぶん今までの経験で「ちゃんと考えてこなかった」という感覚が、自分の中にあるからなんだと思います。だから、今度はちゃんと考えてみる。それを、ゲームのカードを作りながらやっている、というのが、いまの現在地です。
ゲーム自体は、α版が出せたら記事のどこかにリンクを貼る予定です。テストプレイで気づいたことは、別の記事で書こうと思ってます。
完成した話じゃなくて、進行中の話のままで、また書きにきます。
この記事のまとめ
- FIREをモチーフにしたカードゲームを作り始めたら、4枚のカードで手が止まった
- 節約・昇進・親孝行・FIRE後——どれも「ちゃんと考えてこなかった」ものだった
- 数字には強かったはずなのに、「何を幸福と感じているか」を言葉にできていなかった
- カードを設計するという行為が、自分の人生を点検するレントゲンになっていた
- まだ答えは出ていないけど、お金の数字より先に幸福を言葉にする必要があると気づいた

