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駅近マンションを選ばなかった理由——「含み益はどうやって使うの?」という問い | Nodoka Note

駅近マンションを選ばなかった理由——「含み益はどうやって使うの?」という問い

含み益は、使えるお金じゃない FIRE×住宅ローン
のどか
のどか

マンション探してるとき、まわりみんな「駅近がいい」「資産価値が高い物件を選べ」って言ってたよね。

ゆるはる
ゆるはる

そう。でも「資産価値が上がる=お金になる」って、本当にそうなのかなって思ってたんだよね。

のどか
のどか

え、資産価値が上がったら売れるんじゃないの?

ゆるはる
ゆるはる

売ったら次はどこに住むの?って話で。他の物件も上がってたら、差額ってそんなに残らないんだよ。それに流動性というか——株なら少しずつ売れるけど、家はそうはいかない。

のどか
のどか

あ……家って「含み益」があっても、自由に使えるわけじゃないんだ。

この記事でわかること

  • マンション購入時に「資産価値より積立額」を優先した理由
  • 住宅ローン減税・ペアローン・生活コストという3つの判断軸
  • 結果論で駅近が上がっても「後悔していない」と言える理由
  • 含み益を実現益にできない不動産投資の構造的な問題

駅近・資産価値重視という「常識」の中で

マンションを本格的に探し始めたのは2020年、コロナ禍の真っただ中でした。テレワークが始まって、賃貸の部屋が急に狭く感じるようになったんですよ。二人でテレワークするには個室が必要で、「そろそろ買い時かな」という気持ちになったのがきっかけです。

最初に物件探しを始めたのは実は2018年で、最初は一戸建てから見ていました。4,000万円ぐらいの浸水リスクが低い地域の物件を内見したんですが、夫婦二人には広すぎる・3階建てで老後が厳しそうという理由で早々に諦めました。次にマンションへ転換して、駅徒歩8分・3,500万円のフルリフォーム済み物件も内見したんですが、キッチンの部材がすべて真っ赤で趣味に合わなくて断念。その頃はまだ購入に対して本気じゃなかった、というのもあったと思います。

それでも物件を探す中で感じていたのは、「資産価値が高い=駅近を買うべき」という空気の強さでした。周囲でマンションを買った人たちも、不動産記事でも、「将来売れる物件を選べ」という論調が多かったんですよ。ただ、わたしはその前提を最初からそこまで重視していなかったんです。

リーマンショック前のことを少し思い出してほしいんですが、あの頃は「人口減少で不動産価格はこれから下がる」という予測が大勢でした。それが現実には逆に上昇したわけですが、当時のわたしにとってはその読みの難しさも含めて、「不動産の資産価値」に乗っかる判断には慎重でした。


駅近を選ばなかった、3つの判断軸

① 物件価格が上がると、積立額が減る

一番大きかったのは、これです。

駅近マンションは物件価格が高い。物件価格が高くなれば住宅ローンが増え、毎月の返済額が上がる。返済額が上がれば、毎月の積立に回せるお金が減る。

わたしが設定していた価格上限は、できれば3,000万円以下・高くても4,000万円でした。当時は「年収の10倍まで借りられる」という話もあり、無理すれば5,000万円台も購入自体は可能ではありました。でもわたし自身は5〜6倍が適正ライン、8倍まで行くと生活が厳しすぎる感覚がありました。しかも「わたしの給与だけで生活できる水準」というラインで探していたんです。のどかが仕事を辞めたり、働けなくなる可能性を考えると、二人の収入を前提にしたローンは怖かった。

インデックス投資の積立を守ることが、当時のわたしには最優先でした。積立額を削ってまで物件価格を上げる選択は、最初から選択肢に入っていなかったんですよね。

物件価格が上がれば住宅ローンが増え、FIRE達成への影響も大きくなります。具体的なシミュレーションはこちら→住宅ローンを組んだら、FIREは何年遅れる?でまとめています。

② 住宅ローン減税の上限に引っかかる

もう一つ、あまり知られていないと思うんですが——中古物件の住宅ローン減税には年間控除額に上限があります。当時は物件価格が2,000万円を超えても控除額が変わりませんでした。

高い物件を買っても減税メリットが変わらないなら、物件価格を上げる理由が薄れてくるんですよね。この計算は当時のわたしにとって「駅近を見切る」判断を後押ししてくれました。

③ ペアローンのリスクを真剣に考えた

駅近・高価格帯の物件を検討するなら、ペアローンという選択肢もありました。夫婦二人でローンを組んで、借入額を増やす方法です。

でも考えたくない話でも、35年のローンを組む前に考えておく必要があったんです。妻が仕事を辞めた場合、あるいは——もっと考えたくないですが——離婚のリスク。「考えたくないリスクでも、35年スパンで考えておかないといけない」という感覚がありました。

ペアローンを組んでいれば、どちらかの収入が途絶えたとき、返済が一気に重くなる。一人で返せる水準に留めておくことが、長期的な安心につながると判断したんです。

④ そもそも徒歩20分に慣れていた(補強として)

これは財務的な判断というよりも、生活感覚の話なんですが——当時の賃貸が駅徒歩20分で、駅まで自転車通勤をしていたんですよ。それで生活が成立していたし、特に不便は感じていなかった。

「駅近でなくても暮らせる」という実感があったから、①〜③の財務的な理由と合わせて「徒歩20分でいい」という判断に迷いが少なかったんですよね。


結果論では駅近が上がった。それでも後悔しない理由

正直に言います。あのとき駅近を買っていれば、いまごろ大きな含み益が出ていたと思います。「失敗したかな」という気持ちはあります。

ただ——ここが核心なんですが——「じゃぁその含み益はどうやって実現益にするの?」という問いを、自分に立ててみたんです。

住み替えるにしても、他の物件価格も上がっている。

今の物件が5,000万円になったとして、次に買う駅近マンションも4,000万円・5,000万円になっているわけです。差額はとれるかもしれないけれど、仲介手数料や引っ越し代を考えるとトントンではないかと。

FIRE後に地方移住して差額を取る?

これは戦略としてはあります。でも住み慣れた場所を離れるコストがある。人間関係・医療・気候・慣れた生活圏——そういう「数字にならないコスト」を払ってでも差額を取りに行くのか、という話になるんですよ。

結局、株式の方が流動性が高い。

不動産の含み益は「いつでも売れる」わけじゃないです。株式インデックスなら、必要なときに必要な分だけ売れる。流動性という点では、積立を守っていた方が、長期的な使い勝手がいい。

また買っていたらどうなるかを考えたとき、FIREは難しかったと思います。物件価格が高くなるとリスクが上がるため、株式投資に回す資金を減らしてリスク調整をしていたと思うので——これが今のわたしの正直な考えです。


「正解を選ばなかった」は「間違いを選んだ」ではない

購入した物件は、徒歩20分・築古・60平米弱・3LDKです。決め手は月々の住宅費が抑えられること・夫婦それぞれの個室が持てること・妻が気に入ったこと。あと前の居住者が猫を飼っていて、猫用扉やキャットウォークなど部屋が猫仕様になっていたことも。「いつか猫を飼うなら」という気持ちがあって、それも後押しになりました。

雨の日の自転車通勤はきついです。正直、駅近だったら良かったなと思う日もあります。これは本音。

でも、その後悔の重さと「買っていたらFIREが難しかった」という試算を天秤にかけると、今の選択の方が自分には合っていたと思っています。

35年のローンを組む判断に「含み益が実現できるか」という問いを持ち込めた人は、正直そんなに多くないんじゃないかと思うんですよね。わたしも当時から完全に答えを出していたわけじゃなく、「積立を守る」という優先順位だけは譲れなかった。

資産価値を追わなかった分、積立を続けられた。その積立が今のFIRE計画の土台になっています。それを後悔と呼ぶのは、ちょっと違う気がするんですよね。


この記事のまとめ

  • 駅近・高価格帯マンションは物件価格が高く、住宅ローン増加→積立額の減少につながる
  • 中古物件の住宅ローン減税には上限があり、物件価格を上げても控除額は比例しない
  • ペアローンは「考えたくないリスク」を30年スパンで考えておく必要がある
  • 不動産の含み益は「実現」が難しい。住み替え先も上昇・地方移住は非数値コストがある
  • 積立を守った選択がFIRE計画の土台になっている——それが「後悔しない」理由
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