
ゆるはるは最初からインデックス投資してたの?

全然。最初は個別株で、しかも結構うまくいってたんだよね。「買えばなんでも上がる」って調子に乗ってた。

調子に乗ってた?

そう。調子に乗ったまま突き進んだら、100万超の損失を経験して。そこで初めて気づいた。成功体験って、判断を鈍らせるんだよね。

成功してる時が一番危ない、か…。
この記事でわかること
- 成功体験の連鎖が、判断力をどう曇らせるのか
- 個別株投資の落とし穴と、大株主の論理
- 失敗を通じて得られた投資哲学が、長期的にどう機能するのか
- 「失敗は必要な学習機会」という現実
成功体験が、判断力を奪っていく
前回の記事で書いたみたいに、わたしは20代で貯蓄を始めて、株式投資にのめり込んでました。マネックス証券、みずほ銀行、いろいろ投資してみて、次々と利益が出ていったんですね。
成功って、怖いんですよ。
最初の頃は、倒産したら?値段が下がったら?って考えてました。割と慎重だったんですよ。でも成功体験が重ねられていくと、その配慮が薄れていくんです。
マネックス証券に投資したら、1日でボーナス1回分の利益が出た。みずほ銀行に投資したら、かなりの利益が出た。そうなると、どんどん調子に乗っていくんです。
「買うものすべて上がる」って思うレベルまで、調子に乗ってた。
そりゃ、危ないですよね。
「知ってる会社だから」「手数料が無料だから」——100万超の損失
次は何に投資しようかって考えてた時に、ふと思い出した。大学時代にバイトしてたパソコンショップで扱ってたメーカー、ソーテック。知ってる会社だ。
その当時、松井証券では10万円以下の取引が手数料無料だったんです。株の取引には手数料がかかってた。その手数料を節約したいって思ってたわたしは、「ソーテック。10万以下で買える。知ってる会社。手数料無料」という理由で投資することにしたんです。
その会社の経営状況?事業内容?競争力?
そんなもん、全く調べませんでした。調べるまでもなく、知ってたから投資した。
結果は、ダダ下がりですよ。
最後は買収されちゃった。買収価格は極めて安かった。100万以上の損失を被りました。
その時は理不尽だと思いましたね。個別株式で個人株主の意向は完全に無視される。経営陣と大株主の判断で、すべてが決まる。個人なんて蚊のようなもんだ。そう感じた。
でも今、当時のソーテックを思い出してみると、当然のことだったんだと気づきます。その先の展望もなかった。競争力もなかった。買収額は妥当だったんです。わたしがちゃんと調査していれば、わかっていたはずのことだ。
失敗したのは、相場じゃなくて、わたしの判断ミスなんです。
「ウォール街のランダム・ウォーカー」を読んでいたのに
実は、その時点でインデックス投資について学んでました。「ウォール街のランダム・ウォーカー」って本があるんですが、それを読んでたんです。個別株で勝ち続けるのは難しい、市場全体に分散投資する方が理に適ってるって論理がすごく説得力があった。
でも当時のわたしは思ってたんですね。「理論はそうかもしれないけど、自分は違う。個別株で勝てる」って。
ソーテックで失敗したあとで、その本を思い出したんです。
あれ?やっぱりインデックス投資が正解だったんじゃないか?
その時点で、初めて本当の意味で理解した。理論じゃなくて、経験として。
もし失敗していなかったら
ここからが大事な話です。
もしソーテックで失敗していなかったら、わたしはどうなってたと思いますか?
調子に乗り続けて、個別株投資を続けてたはずなんです。そして、その後の相場の大きな変動——リーマンショック、東北地震、その他の局面——のどれかで、資産の大半を失ってた可能性が高いんですよ。
たとえばライブドアの破綻みたいな大きなショックがくると、値動きが高いところに全額投資してたら、ほぼ全滅ですよ。わたしはソーテックで100万失ったけど、もし同じように何度も失敗を重ねていたら、今のFIREは存在しなかった。
ソーテックの失敗があったから、インデックス投資に転換できた。その選択が、その後のリーマンショック、東北地震などの大きな相場変動を乗り切らせてくれた。淡々と投資を続けることができた。
失敗は「運が悪い」じゃなく「必要な学習機会」だった
投資の世界では「運」という言葉をよく聞きますね。でもわたしは思うんですよ。
ソーテックで失敗したことは「運が悪かった」んじゃなくて、「必要な学習機会」だったんです。
調子に乗ってるときに、小さな失敗を経験できた。それがなかったら、その後のもっと大きな相場変動で、資産の大半を失ってた可能性が高い。ソーテックで100万失ったことが、その後の3000万を守ってくれたんですね。
失敗は悪い経験じゃないと、今は思っています。失敗は「自分の判断を正す必要性を教えてくれる」経験だったんだと思うんですよ。
わたしはソーテックで、個別株投資の限界を学んだ。大株主の論理の前に、個人株主は無力だってことも学んだ。そして、市場全体に分散投資することの重要性を、頭じゃなくて、体で理解した。
その学習があったから、その後の15年間、淡々とインデックス投資を続けられたんですよ。
この記事のまとめ
- 成功体験が重ねられると、リスク配慮が薄れ、調査なしの判断に至ることがある
- ソーテックの100万超損失は、個別株投資の限界を教えてくれた
- インデックス投資の理論は本で学んでいたが、失敗を通じて初めて本当に理解した
- もし失敗していなかったら、その後の相場変動で資産の大半を失っていた可能性
- 失敗は「運が悪い」のではなく「早期の学習機会」だったと、今は思っている。その学習が、今のFIREを可能にした

